背景
製造業向けソリューションを提供するA社様では、ウェブサイトを運営していたものの、月間アクセス数はわずか数百程度。お問い合わせフォームからの送信件数は、ほぼゼロに近い状況が続いていました。「そもそも見てもらえていない」「見られていてもどんなユーザーが見ているのかも分からない」「どんな情報を載せれば良いか分からない」といった課題を抱える中、SEOを意識したブログコンテンツによる流入増加と、見込み顧客との接点作りに取り組むこととなりました。

調査と分析
① 現状分析とユーザーニーズの仮説立て
まずはアクセスが少ない中でも、お問い合わせに至ったユーザーの行動データをGoogle Analytics 4(GA4)の無料ツールで分析。その結果、以下の共通点が見えてきました。
- 複数ページをじっくりと閲覧(平均3ページ以上)
- 製品ページではなく、「○○の選び方」「△△の導入メリット」などの情報提供型ブログから流入していた
- 問い合わせユーザーの多くがブログ → 製品紹介ページ → お問い合わせフォームの流れで行動
- 検索キーワードは具体的な悩みを含んだロングテールワードが中心
このことから、「製品の情報そのものよりも、導入前の検討段階の悩みを解消する情報が求められている」ことが分かりました。
② SEOコンテンツの企画・執筆
この分析をもとに、ユーザーの課題に寄り添う情報発信を軸にしたSEOコンテンツを毎月継続的に更新。
記事構成では次のようなポイントを意識しました:
- 導入前の不安を払拭する比較・検討記事
- 業界トレンドをわかりやすく解説するコラム
- 検索上位表示を狙ったタイトル設計と内部リンクの最適化
具体的なタイトルは以下のようなもの:
- 「製造ラインの効率化に失敗しないための3つのポイント」
- 「中小企業でも導入しやすい生産管理ツールとは?」
- 「紙での管理から脱却したいけど、どこから始めるべき?」
単なる商品紹介ではなく、読んでためになる実用的な記事を増やすことで、検索エンジンからの流入を徐々に獲得していきました。
分析とポイント
- 訪問数は半年で約10倍に成長(1,300 → 最大12,800超)
- 記事の質と設計により、コンテンツ経由の訪問が増加
- 最大CV率0.85%を記録し、26件の問い合わせ獲得
- CV率は一定ではないが、質の高いユーザーを集められた月に成果が集中する傾向
また、SEOで集客したユーザーのうち、複数ページを閲覧してから問い合わせを行ったケースが多く、ブログと製品ページの動線設計の重要性も再確認されました。
担当者コメント

「地道に記事を書き続けて良かったです。数字として明確に効果が見えるので、社内でも“やるべきこと”が共有しやすくなりました。広告に頼らずとも、問い合わせを自動的に生む“資産”として育てられています。」
「広告を使わずにリードが安定的に生まれるようになったのは大きいです。ブログ経由の問い合わせから、想像以上に商談が進んでいるので、営業チームも驚いています。」
まとめ
SEOコンテンツは、「集客」だけでなく「信頼の醸成」や「営業活動の後押し」までカバーできる、中長期的に強い武器になります。
すぐに売上に繋がらないと思われがちなブログ施策も、戦略次第でしっかりとビジネス成果に繋げられる事例となりました。「まずは問い合わせを増やしたい」「広告予算を抑えながらリードを獲得したい」という企業様には、特におすすめの方法です。